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「聖護院だいこん」  千葉県成田市 北崎 農さん

生産者の北崎さんに案内していただき
ちょうど収穫の最盛期をむかえた聖護院だいこんの畑におじゃましました。



聖護院だいこんと言えば
賀茂茄子や聖護院かぶら等と並ぶ伝統的な京野菜。

今回千葉県で京野菜?と驚きましたが
消費も、地元及び近県の方々がほとんどという、この聖護院だいこん。

千葉県唯一の生産者 北崎さんの聖護院だいこんへの思い
そして美味しい食べ方を伺いました。


Q:なぜ聖護院だいこんを作ろうと思われたんですか?  

北崎さん:元々大根は作っていたんだけど、聖護院は人からぜひにと頼まれて一度作ってみようか・・・?と作り出したのが最初。       
今も毎年待っている人がいるので、そのために作っているんだよ。       
暑さや病気に弱いので、薬や化学肥料をやれば簡単なんだろうけど      
うちは無農薬・無化学肥料だからね。
生産量は作付けした分の半分になっちゃうんだよ。(笑)       
後は、虫に喰われちゃったり、病気になっちゃったりでさ。


半分・・・とは、大変なリスクな気がしますが、笑顔でおっしゃる北崎さん。



Q:ここ近年、京野菜がクローズアップされいますが、その影響もあるので 
しょうか?  

北崎さん:
いや〜、もう10年前ぐらいから作っているんだよ・・・



そんなに前から?!  

元々聖護院だいこんは
腐葉土が多い肥沃な京都の粘りある土で栽培されているもの。  

北総のサラっとした赤土とは違うので
それに相応した栄養分や新しい方法を加えないと難しかったと言います。
 
もちろん前述の通り、無化学肥料での栽培がモットーの北崎さんですので
化学の手は使わず、麦や豆類などをすき込むことによってできる『緑肥』をベースで生産しています。  

この時期にも聖護院だいこんの脇には
次の作物のためにその緑肥用である「青刈ソルゴー」というイネ科の植物が植えられ、黄色の愛らしい花を咲かせていました。



Q:この作物が、美味しいだいこんに成長させる為
   一役かっている訳ですね。  

北崎さん:
その"ソルゴー"もそうだけど緑肥は、作物によくない余計な成分を取り除き、畑をキレイにしてくれる効果があるんだよ。       
ムギやマメ科植物なんかもよくそういう役割として使われるんだけど
土壌のPHバランスとか、いろいろな条件を考えて、そこの土地にあったものを植えてるんだ。       
このだいこんにはこの緑肥が一番合うみたいだね。



過去にも、いろいろな作物の生産者の方にお話をうかがいましたが
確かに落花生やクローバなどマメ科を植えている生産者の方と
北崎さんと同じようにムギやイネ科の植物を植えているところと様々でした。

それについて伺うと
字科及びイネ科植物は土壌水分の少ない方が生育・収量共によく
土壌水分に対する適応性の幅は狭いのですが
マメ科植物は最適水分量の少ないものから多いものまで
数種類の段階のものがあり
適応性の幅も広いものから狭いものまで種々のものが見られるので
どんな土地にも対応できるものなのだそうです。

それに加え、含有物や、作物に必要な有機物の関係もあり  
さらに専門的なことを言えば
一般的には窒素、リン酸、石灰、苦土の含有率は
マメ科植物で高く、カリは同等か非マメ科植物が高いので
それに適合させたものをチョイスするのだそうです。



Q:聖護院だいこんを作っていて一番の苦労は何ですか?  

北崎さん:
やっぱり暑さや病気に弱い部分かな?       
こんなに作って半分だめになっちゃうからね。       
あとは緑肥などを使った土作り。追肥はしない。       
とにかく天然有機肥料にこだわっているよ。       
だから、除草も収穫も手作業だしね。       
そういったことで、手がかかるから作付けの量も増やさないで
必要な分のみ、丁寧に作ることを心掛けています。



確かに、先ほどから収穫した畑には
少し穴開きの聖護院だいこんがごろごろと置かれています。  
残念ですが、このだいこんはみんな出荷されずに
土へ戻ることになります。  

ここも北崎さんがこだわる部分です。



Q:北崎さんはこの聖護院だいこんを、いつもどのように召し上がっていますか?  

北崎さん:
つけものが美味しいかな?
千枚漬けの聖護院かぶらも美味しいけど、このだいこんも香りはだいこんだけど、かぶに近い食感があって、4等分ぐらいに切って漬けると歯ざわりがよいのに柔らかいんだよ。
きっと薄くスライスしたらサラダでもいけると思う。
うちでは、シーチキンと一緒に薄味で煮るんだけど、これもダシが染みて甘くて本当上手いんだよ。


京都では冬の煮物用として愛されている聖護院だいこん。  
長時間炊いても煮崩れせず
とろけるような味わいになるのが特徴です。



北崎さん:
調理法が難しいと思われがちだけど
普通のだいこんと同じ感覚でぜひ食べてみてください。
普通のだいこんも美味しいけど、このだいこん独特の歯ごたえとかぶのような柔らかさを味わって欲しいね。

環境にやさしい栽培方法で丹精込めて育てていますから。  
葉ももちろん普通のだいこんの葉っぱと同じように炒めたり漬けたりして食べると旨いよ。










緑肥用である「青刈ソルゴー」












収穫されて出荷される聖護院だいこん
約2キロほどあります。立派ですね。


北崎さんがそう話すように、あまり一般的なお野菜ではないので、私など京料理、京懐石・・・というイメージに固執してしまい
面倒とか、調理法がわからなくて 敬遠してしまう部分があるかもしれません。  

今や全国区で、幅広い料理に利用されている京野菜 水菜のように
 【京野菜・聖護院だいこん】 という品名をあまり意識せず、だいこんの種類のひとつと簡単に捉え
煮物やお漬物はもちろんのこと、サラダなど、自分オリジナルの美味しい味を探してみるのも、この食材ならではの楽しみ方かもしれません。



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