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「納豆」  茨城県 河内町 秋山 成夫さん



日本人の食生活に馴染みの深い納豆。

東北、関東特有の郷土食としてのイメージが高かった納豆ですが、今や全国区、海外でも食されるようになりました。

その歴史は古く、縄文時代の終わり頃から食べられていたと記録に残っています。

納豆を戦前から生産している秋山さんの工場で、実際に納豆のできる行程を見せていただきました。


そもそもあの納豆になる元の納豆菌というのは何なのでしょうか?

学名バチルスナットウと言う枯草菌の一種で、枯草、空気中などいろいろなところに納豆胞子が生息していますが、一番菌が好むのは稲藁で、日本の稲藁1本には、なんと約1000万個もの納豆胞子が付着しているそうです。

そこに煮豆を入れておけば自然にネバネバが発生するという訳なのですね。

その納豆を戦前から生産している秋山さんの工場で、実際に納豆のできる行程を見せていただきました。


―秋山さんで何代目ですか?

秋山さん:私が三代目です。工場は戦前からやっています。
最近は、健康ブームで納豆の消費も増えていてありがたく思っています。


―納豆は、馬糧大豆の中から糸引き納豆を発見したと何かで聞いたことがあるんですが?

秋山さん:いろいろな説があるけど・・・。

この辺では、八幡太郎義家が兵を率いて奥州征伐に向かう途中、常陸国
(今の茨城)王朝時代の官道の道筋である那珂郡河内に駅家があり、その
駅長である水戸郊外渡里の里の一盛長者宅に泊まったとき、馬の飼料用に
煮豆の残りを藁に包んだところ、自然に醗酵して糸を引くようになり、それを
家来が食べたところ、美味しかったので義家に献じたらしい。

納豆という名前は、"将軍に収めた豆"ということから来ているみたいだね。

その製法がずっと農家に伝承されてきて、水戸納豆になったという話もある
みたいだよ。

水害の多かったこの地域は台風が来る前に収穫ができる小粒の品種を使う
ことで水戸納豆は小粒になったんだよ。


―大豆は今もこのあたりで生産されたものをお使いですか?

秋山さん:いや、甘味があって柔らかく味がいいのを・・・と思うと
日本のものより、カナダや中国のものがいいんだよね。

だからうちはカナダ産、中国産。
国産大豆じゃないとイメージが悪い世の中だけど、出来上がりの味を考えるとこれがいいんだよね。


−作るのに一番苦労されるところは何ですか?

秋山さん:これが納豆のいいところなんだと思うけど、まじめに作れば、黙っていても出来てくれますよ。

発酵の温度だけは、きちんと守らないといけませんが・・・。


―では行程を見せていただけますか?

秋山さん:大豆は、前日に水に浸しておき十分に膨らんだものを使います。

この大きな浴槽のような入れ物に、豆を浸します。

この巨大圧力釜で、一気に蒸します。


―正確には煮豆ではなく蒸豆ですね。

秋山さん:煮てもできるけれどもおいしさが水に逃げてしまうといえますね。

ただ蒸すと水に溶けやすい大豆サポニンが多く残るので、ややえぐみ感が
あります。

でも、このサポニンはコレステロールを低下させて大腸ガンを防ぐという身体に良い働きがあるといわれていますから。

それと、煮ると大豆の薄皮が中途半端にはがれてしまいますが、蒸した方は
全くはがれません。はがれると食感が悪いからね。


―これが、藁つとですね?

秋山さん:上の方を切って茎だけにしたもの。

これは近所の農家の方から分けてもらってるんです。


―藁つとだと美味しそうに思えますよね。

秋山さん:そうだね、人気があるから。
でも結構手間がかかるんだよ。(笑 )

これを洗って、そこに豆をいれて両脇を縛るんだけどね。 適量。
計らなくても大体わかるよ。 多少多い少ないがあるかもしれないけど(笑)

その藁つとの両脇をしばります。

秋山さん:昔は手で縛っていたけど、今は便利なものがあって、この機械で両脇を瞬時に結わえるんです。


秋山さん:藁をまとめたら今度は発酵。

納豆菌は40度〜45度が適温で活発に活動します。
だから常に43度ぐらいに保った倉庫に入れて発酵させます。
それ以外の温度や乾燥、栄養不十分の状態では、駄目なんだよね。

納豆菌は意外に熱に強くて100度ぐらいでも10分以上耐えられるらしいよ。
そんなに熱くしたら商品は駄目だけどね。(笑)

大体1日置いたした後、定着させる為に冷蔵庫にいれます。そしてそのまま出荷をします。



↑これが納豆菌。
これを約4000倍に薄めて使用するそうです。
見た目はほんのり濁った液体でした。
冷蔵庫に保存されていました。


―秋山さんはどんな風に納豆召し上がっていらっしゃいますか?

秋山さん:そうだね。普通に食べますよ。
ご飯や、あとは味噌汁にも入れるとあったまって美味しいね。

変わったところでは、トーストにして食べるよ。
納豆とネギを混ぜて醤油を入れて。そのままパンに乗せて食べるんだけど。
美味いよ。

それは初めて聞きました。早速試してみましょう。


―消費者の方に何かメッセージをお願いします。

秋山さん:納豆は、醤油や味噌のように、毎日食べるもの。
突然大量に食べたからといって身体に効果が現れるのではないと思います。

どうぞいろいろな食べ方で毎日50グラムを目標に食べてください。






↑これはまだ水に浸していないから小さいけど、もう少し大きいです。



↑この大きな浴槽のような入れ物に、豆を浸します。



↑この巨大圧力釜で、一気に蒸します。



↑これが、「藁つと」です



↑この台の上に、藁つとを敷いて、蒸した豆を適量乗せていきます。



↑この機械で両脇を瞬時に結わえるんです。
この日は結わえる作業は終了していたので
コードが片付けられてしまっています。



↑常に43度ぐらいに保った倉庫に入れて発酵させます。


納豆は、それだけでお肉・野菜・米を全部取ったぐらいのバランスよい栄養が含まれる食品です。

ご飯に乗せるのが一番美味しいとは思いますが、カレーに入れたり、チーズを加えトーストにしたり、意外なアレンジでも美味しくいただけます。

私のイタリア人の友人はトマトと一緒にパスタで食べています。

ぜひ、健康に効果的と言われる一日50グラムを摂取するように 頑張ってみてください。



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