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「大根・冬みね」  千葉県成田市 石橋 博雄さん(と奥様)



青首大根の中でも、季節に合わせて栽培できるいろいろな種類があります。

今回リポートするのは、3月いっぱいが旬という「冬みね」という品種の大根。
千葉の畑では3月になると暖かく花が咲いてきてしまうので
この季節にはこの品種を栽培するそうです。

畑で収穫に忙しい石橋 博雄さんの畑にお邪魔し、石橋さんと奥様にお話を伺いました。


―今日収穫されている大根は、いつ植えたものですか?

石橋さん:12月初め。取れるのは3月初旬ぐらいまでかな?
4月からは違う種類になるの。
これは、冬みねという種類で、当立ち(花が咲くのが遅い)が遅い品種だから
長く出荷できるんです。


―手がかかるのはどのあたりですか?

石橋さん:これは種蒔いて、間引いて、その後トンネルをかけて。
(※トンネル寒さから保護し、成長を促進させる為にポリエチレンフィルムや
ビニールをかける方法)、

今、このトンネルの中に見えるでしょ?一枚かぶせてあるもの。

―あ、薄い紙のような・・・ものですね?これは何ですか?

石橋さん:これは腐蝕布なんだけど、霜を避けるためのもの。
霜が降りると弱るので、できるだけ避けるようにとかけるものなんだけど
トンネルかけた後に状況を見てかけるので、結構な手間がかかるの。
何度も使えないから、値段もかかるし(笑)。

―人間で例えると、布団をかけたけど、寒さによって毛布もプラスするといった感覚ですか?

石橋さん:そうそう。
布団を少し持ち上げて、毛布をかけてあげなきゃならないということ。(笑)

―これだけのトンネルの数ですから、大変ですね。

石橋さん:そうだね。作業は大変だね。

―では、生産されてて大変なことはそれですね。

石橋さん:そうだね。無化学・無農薬だから、土作りだけはしっかりしている。
堆肥は自分で作っているよ。
人工的なのはさっきのトンネルのような気候をカバーする最小限のものに
とどめ、後は出来る限り自然のものを使うのがポリシーだから。


―堆肥は手作りですか?

石橋さん:そうだよ。あっちに寝かせてあるけど。植える前にその堆肥で土を
作るんだ。

―堆肥を作るのにこだわりはありますか?

石橋さん:みんな友達のお世話になっているんだけど(笑)
牧場の友人に、牛糞をわけてもらい、それに、雑草などの草を混ぜ
今度は、お豆腐屋さんの友人にわけてもらったおからを混ぜるんだ。
2年ぐらい寝かせると良いしっとりした土状の良い堆肥になるんだよ。
匂いも無くなるよ。

肥料の方に目をやると、白い山に鳥がたくさん群がっていました。
(白い山はおからの山です。)
おからはたんぱく質ですし、栄養万点の堆肥が簡単に想像できますね。

石橋さん:おからを入れるのはいいみたいだね。作物の甘味が増す。
化成とは違うと思うけど。 化学の力は確かに自然の力より即効性がある。
だけど、そのときはいいけど5年・10年と経ってからその土は使えるのか
どうか。
化学肥料を使うと、元の土に戻すのに何年、いや何十年もかかるんだよ。


―石橋さんは、このお仕事についてどのぐらいになりますか?

石橋さん:もう20年。9代目。10代目も息子が継いでるよ。

―それは安心ですね。お邪魔するのに道がわからなくなるほど広く立派な畑、終わらせてしまうことは考えられませんから。

石橋さん:このあたりは、伊能という地域で民家が250戸あるのだけど
昔ながらの専業農家は4,5件しかなくなったよ。

先ず物価の関係もあるよね。
大根一本の今の値段が、10年や20年前と変わらないんだから。
でも生活にかかるお金は変わってるでしょ。
そうすると生産する側にしてみればマイナスだもの。

でも、対価を考えずにこうやって作業できるのは、大切な仕事だと思っている
からこそだよね。


作物とは、自然が何百年、何千年とかけて作ってきた土地で作るのが基本だと石橋さんは言います。

今私達の食卓に上がる野菜の中には、擬似太陽や、バイオテクノロジーを
駆使した工場的プラントで作られたものも少なくありません。

供給、コストを考えるといたしかたない部分もありますが、それはやはり太陽の恵とはかけ離れているように思えます。

実際、今の野菜には昔に比べるとビタミンやミネラルが半分近く減ってしまっているということもわかってきています。

消費者も自由に商品を選べる時代でもあります。

消費する私たちも商品を見る目をもっと養い、値段だけではなく将来を見据えて、身体に良いものを選びたいですね。


―ところで、石橋さんはお家で大根をどのように召し上がりますか?

石橋さん:豚肉か、鶏肉と一緒に煮たものをよく食べるよ。味噌汁とかね。
青首大根はサラダも美味しいけど、今の季節はやっぱり温かいほうが美味しいもんね。


身体を温める効果がある大根。

風邪にも良いといわれていますので、暖かいブリ大根や
石橋さんお薦めの豚大根・鶏大根など煮物にして
コクのある純米酒と一緒に召し上がってみてください。

心も身体がぽかぽかになることでしょう。



収穫したばかりのツヤのいい大根



↑ずーっと広がるトンネル。全部大根です。
トンネルの中に見える薄い紙が、大根の毛布。



↑堆肥にするおから



↑牛糞やおからを混ぜた熟成中の堆肥。
栄養豊かなので雑草も生えてしまっています。



↑トンネルの中から一本一本大きいものを選んで 収穫していきます。中腰での作業はとてもご苦労です。


↑まっすぐ立派な大根でしょう?


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